【公認心理師が解説】夫婦関係の危機を乗り越え子どもを支える方法

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お子さんの不登校をきっかけに、夫婦の会話がギクシャクしていませんか?「あなたの育て方が甘いから」「お前が厳しすぎるんだ」――そんな言葉が飛び交い、気づけば離婚という文字が頭をよぎるようになった。

不登校は、夫婦にとって最大の試練の一つです。お子さんのことで精一杯なのに、パートナーとの関係まで壊れそうになる。その苦しさは、想像を絶するものだと思います。

大切なのは、どちらも追い詰められているという事実です。お互いを責めることは、誰の助けにもなりません。むしろ、家庭全体をさらに不安定にしてしまいます。

この記事では、医師監修のもと、公認心理師が家族システムの専門的な視点から、不登校が原因で離婚を考えている夫婦が関係を修復し、お子さんを支えるための方法をお伝えします。離婚という決断をする前に、ぜひ最後までお読みください。

目次

不登校が夫婦関係を破壊する3つの心理的要因

なぜ、お子さんの不登校がきっかけで、夫婦関係にひびが入ってしまうのでしょうか。公認心理師の視点では、主に3つの心理的要因があると考えられています。

要因1:責任のなすりつけ

「あなたが甘やかしたから、学校に行けなくなった」
「お前がプレッシャーをかけすぎたんだ」

不登校になると、夫婦のどちらか一方、あるいはお互いが相手を責めるようになることがあります。これは「育て方が悪かったのでは」という不安から来る防衛反応です。

自分の不安を認めることは辛いため、無意識のうちに「相手のせいにする」ことで、自分を守ろうとしてしまうのです。しかし、この責任のなすりつけ合いは、夫婦関係を急速に悪化させます。

実際には、不登校の原因は親の育て方だけではなく、お子さんの気質、学校環境、人間関係など、複数の要因が絡み合っています。一方的に相手を責めることは、問題の本質から目をそらすことになってしまいます。

要因2:価値観の対立

「もっと厳しく接して、学校に行かせるべきだ」
「今は無理をさせず、見守るべきだ」

夫婦で不登校への対応方針が異なることは、珍しくありません。一方は「厳しく」、もう一方は「優しく」という対立構造が生まれやすいのです。

どちらの考え方も、お子さんを思ってのことです。しかし、この価値観の違いを認め合えないと、「相手は子どものことを本気で考えていない」と感じ、不信感が募っていきます。

心理学的には、この対立は「正しさ」の争いではなく、それぞれが持つ不安の表れ方の違いに過ぎません。厳しくしたい親は「このままでは将来が心配」という不安を、優しくしたい親は「今、子どもを追い詰めたくない」という不安を抱えているのです。

要因3:コミュニケーションの断絶

不登校のお子さんがいる家庭では、会話の9割以上が「子どもの話」になりがちです。

「今日、部屋から出てきた?」
「学校からまた連絡があった」
「明日はどうする?」

夫婦としての心の会話――「最近、疲れてない?」「私たち、大丈夫かな?」――がなくなり、お互いの気持ちを確かめ合う時間が失われてしまいます。

すると、相手が何を考えているのか分からなくなり、心の距離がどんどん開いていくのです。コミュニケーションが断絶した夫婦は、問題を一緒に解決するパートナーではなく、ただ同じ家に住んでいるだけの他人のように感じてしまいます。

離婚を考える前に:冷静な視点を取り戻すためのチェックリスト

「もう無理だ。離婚しかない」――そう感じているとき、一度立ち止まって、次の3つのチェックリストを確認してみてください。

チェック1:感情的になっているか

今、離婚を考えているのは、お子さんの問題を解決するためでしょうか?それとも、今の苦しみから逃れるためでしょうか?

公認心理師の視点では、極度のストレス状態にあるとき、人は「この状況から逃げたい」という衝動的な感情に支配されやすくなります。離婚という決断が、本当に問題の解決につながるのか、冷静に考える必要があります。

ただし、DVやモラハラなど、明らかに安全が脅かされている場合は別です。その場合は、速やかに専門機関に相談してください。

チェック2:子どもの視点

もし離婚した場合、お子さんにどのような影響があるか、夫婦で話し合ったことはありますか?

不登校のお子さんは、すでに大きなストレスを抱えています。そこに親の離婚が加わると、「自分のせいで家族が壊れた」という新たな罪悪感を感じてしまうことがあります。

もちろん、離婚が唯一の解決策であるケースもあります。しかし、お子さんの視点を抜きに、夫婦だけの感情で決断することは避けたいところです。

チェック3:問題のすり替えになっていないか

「離婚すれば、不登校も解決する」と考えていませんか?

実際には、離婚が不登校の解決に直結するわけではありません。むしろ、家庭環境の変化が、お子さんにとって新たなストレス要因になる可能性もあります。

離婚という選択肢を考えること自体は悪いことではありません。しかし、「離婚すれば全てが解決する」という思い込みは、問題のすり替えになってしまうことがあります。

まずは、夫婦関係の修復お子さんの不登校への対応を、それぞれ別の問題として整理することが大切です。

夫婦で「子どもの問題」から「夫婦の問題」に視点を変える方法

不登校で離婚を考えるほど追い詰められている夫婦には、ある共通点があります。それは、「子どもの問題」ばかりに焦点を当て、「夫婦の問題」を見ていないということです。

ここでは、公認心理師が実際のカウンセリングで使っている、夫婦関係を修復するための3つのステップをご紹介します。

ステップ1:お互いの「辛さ」を認識しあう

まず、夫婦それぞれが「辛い」と感じていることを、言葉にして伝え合う時間を持ちましょう。

「私は、周りの目が気になって辛い」
「俺は、何をしても変わらないことが辛い」

お互いの辛さを共有することで、「自分だけが苦しんでいるわけではない」という気づきが生まれます。また、相手の辛さを知ることで、責める気持ちが和らぐこともあります。

このとき大切なのは、相手の辛さを否定しないことです。「そんなの大したことない」「私の方がもっと辛い」といった言葉は、溝をさらに深めてしまいます。

ステップ2:「親」の役割を一旦下ろす

不登校の対応で疲れ果てているとき、夫婦は「親」の役割に完全に飲み込まれてしまっています。

一度、「親」という役割を脇に置いて、夫婦としての共通の目標を再確認してみましょう。

例えば:

  • 「子どもの安全を守る」
  • 「家族が笑顔で過ごせる日を取り戻す」

こうした目標は、実は夫婦で一致しているはずです。対応方針は違っても、目指す方向は同じだということを確認することが大切です。

また、意識的に「親以外の話」をする時間を作りましょう。お互いの趣味、仕事の話、ニュース、何でも構いません。子どもの話以外で会話することで、夫婦としてのつながりが少しずつ戻ってきます。

ステップ3:対応方針の「統一」を目指さない

「夫婦で対応を統一しなければならない」という考えに、縛られていませんか?

実は、心理学的には対応が違っても問題ありません。むしろ、お子さんにとっては、複数の対応パターンがあることで、自分に合った方法を選べるというメリットもあります。

大切なのは、**「対応が違っても、愛情は同じ」**ということをお子さんに伝えることです。

「お父さんは厳しく言うけど、あなたのことを心配してるんだよ」
「お母さんは優しいけど、あなたの将来を真剣に考えてるんだよ」

このように、お互いの対応を否定せず、それぞれの愛情の表現の違いとして認め合うことで、夫婦の対立は和らいでいきます。

意見の違いを許容する練習をすることが、夫婦関係修復の大きな一歩になります。

専門家を交えた「家族療法」という解決の選択肢

夫婦だけで関係を修復しようとしても、なかなか上手くいかないことがあります。そんなとき、家族療法という選択肢があることを知っておいてください。

家族療法とは

家族療法とは、家族全員を一つの「システム」として捉え、家族内の関係性を調整することで問題の解決を図る心理療法のアプローチです。

不登校の問題を、お子さん個人の問題としてではなく、家族全体のバランスの乱れとして捉えます。そして、まず夫婦関係を安定させることで、お子さんにとっての安心基地を取り戻していくのです。

医師監修のもと、公認心理師がファシリテーターとなり、夫婦それぞれの気持ちを整理しながら、建設的な対話を促していきます。

第三者が入ることのメリット

夫婦だけで話し合うと、どうしても感情的になったり、同じ議論の繰り返しになったりしがちです。

専門家という第三者が入ることで、次のようなメリットがあります。

  • 中立的な立場から、双方の気持ちを整理できる
  • 専門的な知識に基づいた、具体的な解決策を提案できる
  • 冷静な対話を促し、建設的な話し合いができる
  • 夫婦それぞれの強みを見つけ、活かす方法を一緒に考えられる

公認心理師は、どちらか一方の味方になるのではなく、家族全体の回復を目指してサポートします。

ぜんとカウンセリングができること

ぜんとカウンセリングでは、不登校に特化した公認心理師が、夫婦関係の調整役として中立的な立場からサポートを提供しています。

  • 夫婦それぞれの気持ちを丁寧に聴き取る
  • 家族システムの視点から、問題を整理する
  • 夫婦で建設的な対話ができるよう、ファシリテートする
  • お子さんの状況に合わせた、具体的な対応策を一緒に考える

オンラインでのカウンセリングなので、自宅から気軽に相談できます。夫婦で一緒に受けることも、まずは一人で相談することも可能です。

【ぜんとカウンセリング】夫婦関係の修復から家庭の回復を目指す

不登校で離婚を考えるほど追い詰められているとき、「もう手遅れだ」と感じるかもしれません。

しかし、専門家の力を借りることで、夫婦関係を修復し、家庭全体の回復を目指すことは可能です。

離婚という決断の前に

離婚という決断をすることが、最終的に正しい選択である場合もあります。しかし、その決断をする前に、専門家を交えた夫婦での対話を一度試してみませんか?

ぜんとカウンセリングでは、公認心理師が中立的な立場で、夫婦それぞれの気持ちに寄り添いながら、建設的な対話をサポートします。

  • 今の夫婦関係で何が起きているのかを整理する
  • お互いの気持ちを安全な場で伝え合う
  • お子さんにとって何が最善かを、冷静に考える
  • 夫婦関係の修復が可能かどうか、専門的な視点からアセスメントする

家庭の回復という選択肢

不登校の問題は、一人では解決できません。そして、夫婦がバラバラでも解決できません。

家庭全体が安定することが、お子さんの回復にとって最も大切な土台になります。

ぜんとカウンセリングは、離婚回避だけを目的とするのではなく、家庭の回復そのものを目指します。夫婦関係が修復できれば、それが最善です。もし修復が難しい場合でも、お子さんにとってより良い形を一緒に考えていきます。

ひとりで、あるいは夫婦だけで抱え込まず、専門家の力を借りてみませんか?

[ぜんとカウンセリングに相談する]

よくある質問

Q. 不登校が原因で離婚を考えていますが、話し合う気力もありません

A. 極度に疲弊しているとき、夫婦だけで話し合うのは難しいものです。まずは一人でカウンセリングを受けて、自分の気持ちを整理することから始めてもよいでしょう。その後、準備ができたら夫婦でのカウンセリングに進むこともできます。

Q. パートナーがカウンセリングに否定的で、一緒に受けてくれそうにありません

A. 最初は一人で相談を始めることも可能です。一人が変わることで、夫婦の関係性も変わっていくことがあります。また、カウンセラーから配偶者への働きかけ方についてアドバイスを受けることもできます。

Q. 家族療法と普通のカウンセリングは何が違うのですか?

A. 普通のカウンセリングは個人に焦点を当てますが、家族療法は家族全体を一つのシステムとして捉えます。不登校の問題を家族関

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